from Hip-2月号-
2月になりました。年の初めはあっという間に過ぎてしまいますね。
今年はうるう年ですから1日儲けちゃった年なのか、はたまた損する年なのか?
私としては前向きに得をすると考えたいですね。私自身のお誕生日の月でもありますし。
さて、先日の『2013年成人式ご相談会』にはたくさんのご来場、ありがとうございました。成人式を迎えるお嬢様とそのご家族の方たちで連日大盛況。新作はもちろんですが、すでにお仕立てが済んでいるわたくしにとってはなじみ深く、愛着のある振袖たちも、お嬢様のお目に留まって、2013年のご成人式には、お嬢様たちとご一緒に『華』となってくれることが決まりました。
まだまだ新作も含めレンタル振袖は揃っておりますから、どうぞこれからもご覧になりにいらしてください。またお母様やお姉様、ご親戚の方の振袖をお召しになられるお嬢様も遠慮なくいらしてくださいませ。小物選びで今どきアレンジをたのしむのもいいでしょうし、思いっきりアンティークを気取るのも賛成です。お着付けを、引き振り風でのご提案をさせていただいたお嬢様もいらっしゃいます。
平面で仕立てられる日本の着物は、着付けでT.P.Oをデザインしてまいります。
同じ着物でも着付けによって年齢を現し、お立場を示す。又は華やかさや、遊びといったお心向きも示せる。これが着付けの醍醐味だとおもっております。
そして小物一つ一つに心をこめて組み合わせ、選ぶ。重ね、あわせ、結ぶ、この3つで作り上げる絹の世界は、計り知れない魅力がございます。
お嬢様と年近い若手の担当者から、長く関わってきている造詣深いベテラン担当者まで揃いまして、皆様をお待ちしております。
さて、少し私事をお話しさせてください。
先日ブログにもやっとアップさせていただいたのですが、2011年12月28日未明、私の実母 佐藤猷也(さとうみちや)が逝去いたしました。
82歳ではありましたが、とてもおしゃれな人でした。
美容師としての私の一番のサポーターでもありました。
11月28日に入院する一週間前には中原店を利用してくれまして、最後の最後まできちんと会計をしてくれて、決して「娘なんだから安くして。」というようなことは言わない人でした。
11月22日の武市昌子杯での優勝を伝えた電話に「いつ死んでもいいわ。」と喜んでくれて、私から「まだまだよ。」といわれていた母だったのですが・・・。
わずか1ヶ月の入院で、体中に転移していたがんの痛みに苦しみ、亡くなりました。
救いは、1ヶ月前までは普通の暮らしが出来ていたこと、きっと大変なこともあったでしょうに、泣き言を言うまいと決めて、その通りに生きられた事。
短歌に永く親しんでいた母は文章を書くことが好きで、入院するとすぐにノートを欲しがり、そのノートに
12/9もうペンがもてなくなりました。みんな大変でしたね。ありがとう、たのしかった、しあわせでした。
と記されていました。
母の望むように葬儀こそいたしませんでしたが、1月21日に、『お別れの会』をさせていただきました。母の愛した花と、歌と、短歌に囲まれての、なごやかで、思い出話と笑顔の絶えない会となりました。
私は次女ですので、苦しい病床でも気がかりなのは私の事のようでした。
私にとっては自慢の母でした。そしてこれからもそうだと思います。
11月28日に入院してから、病院への行き来と、一人残された85歳の父の介護とそして仕事、夢のように過ぎてゆきましたが、多くのお客様たちから励ましをいただき、一緒に泣いて分かち合ってくださいました。何より、この仕事があったことは救いでした。
折しも12月、何一つ手の抜けない日々が続きましたが、人と関わること、お客様が待っていてくださることが私の支えとなりました。改めてありがとうございます。
まだ、父が独りで居りますし、何も片付いておりませんが、少しずつやっていきます。
母の望みどおり桜が咲いたら納骨の予定でいます。
お誕生日が来るだけでなく、大人の階段をまた一つ上ったな、と思うこの頃です。
一皮剥けた私に会いに来てください。
春の足音も聞こえますか?
2012年2月 山宮博子